ミリィは可愛くて優しくて 本当に本当にいい子で 女の子でも男の子でもミリィを悪く言う奴は一人もいなかった あたしの自慢の親友 だから、どんなことがあってもあたしはミリィの味方でいるの そうどんなことがあっても・・・・ 「あたしトールと付き合うことになったの!」 白い頬をピンクに染めて本当に嬉しそうに笑うミリィ 「よかったね!ミリィ!!」 出来るだけ精一杯の笑顔で答えた 必死に 笑顔が凍りつかないように そう、例えばあたしも同じ人に恋をしていたとしても・・・ Me too act1 マリュー艦長の計らいでオーブについた達は両親と会えることになる 横目でははしゃぐみんなを見ていた (あ〜あ、私は会ったりする両親はいないからなぁ・・・) そう思ってミリアリアの方を見る トールと嬉しそうに手をとって笑いあっていた (邪魔できないじゃんね) 「さぁ、いいからいいから!」 「でも、は・・・」 ミリアリアが困ったように眉を寄せてを見た 「何言ってるの!両親と会えるんだから!ね!!!」 「でも・・・だったらも一緒に!!」 「あ〜もう、あたしがいいって言ってるんだから、そんなミリィは嫌いだよ!」 「・・・うん。わかった。、ごめんね?」 ミリアリアが両手を合わせて申し訳なさそうに頭を下げる 「こればっかりはしょうがないんだからさ、気にしないで!!」 にかっと笑い、ばんばんとミリアリアの背中を叩く 「おーい、ミリィ用意できたかよ?」 廊下からトールの声が聞こえた 「ほら、トール迎えに来たみたいよ」 「ごめんね、ありがとう。大好き!」 「お土産期待してるからね〜」 「ふふ、なによそれ」 ミリアリアはぎゅっとを抱きしめると笑顔で部屋を出て行った はミリアリアの姿が見えなくなってから 「あたしも大好きだよ」 と、消えそうな声で呟いた 周りが静かになってからは大きく背伸びをする 「さて、キラは行かないって言ってたし、カズイももういったでしょ〜。」 は首を更に傾げた 「サイもいったし、フレイは・・・ちょっと今は勘弁かな」 と苦笑い 結局、は着替えると一人で出かけることにした (そういえば一人なんて久しぶりだなぁ。カレッジ入ってからほとんどミリィと一緒だったし) ミリアリア そして彼氏のトール ラボのみんな 本当に仲がよくていつでも一緒だった (そういえば・・・) うっかり先ほどAAの窓から手を繋いで出かけるところを見てしまったのを思い出す (見ないようにしてたらか部屋で見送ったのになぁ・・・) 視界がじわりとする (やばっ・・・) は人通りのないところまで移動すると腰を下ろし顔を伏せた どれぐらいたったのだろう 最後に軽く鼻をすすって顔を上げる (なにやってんだろ、あたし) 気力もなくぼけっとしてしまった (帰るまでには元気になんなきゃな・・・でも・・・) 足が動かない 動かないようにしているのかもしれない ふう、とため息をついて肘をついた 突然突風が吹く 「あ、やべっ」 そう声が聞こえてきて、ぼーっと街中を眺めていたの足元に帽子が転がってきた の足にこつんと当たり動きを止る 何気なく拾い上げると頭の上から声が降ってきた 「わりぃわりぃ、サンキューな」 作業着を着た同じ年ぐらいの褐色肌の少年は頭を抑えながらの元へ走ってくる 「あ、うん」 少年に帽子を手渡すとすぐに少年は帽子を深く深くかぶりなおす その姿をジィと見つめてしまう キラと同じアメジストのような瞳なのにまったく違う感じがした 「ん?」 「あ、ごめん。紫の目、きれいだなぁって」 「何?俺ナンパされてるの?」 少年は口の端をあげて独特の笑みを作る 「あはは、違うって綺麗なのに隠しちゃうのもったいないなぁって、純粋に」 「それがナンパじゃないの?」 「だとしたら、あたしの足元に帽子を転がして、きっかけを作った君がナンパじゃない」 「・・・ん〜そりゃそーだ」 「第一、あたしには好きな人いるし・・・」 少年に聞こえるか聞こえないかの声でぼそりと呟く ふと、少年の目が真剣になった (・・・もしかして、聞こえた?) 「あれ?お前、泣いてた?」 の心配は外れたが 更にギクリとした 「あ・・・これは・・・」 「おい、ディアッカ!!何してるんだ!早く行くぞ!!!」 「あ〜〜はいはい」 半身だけ振り返り返事をすると苦笑いを浮かべ方を竦めた 向こうに同じ作業着を着た少年が呼んでいる 「と、友達呼んでるよ」 「じゃあ、ナンパ失敗って事で。今度泣く時は俺の胸で泣きなよ」 「ちょっ泣いてないって!!」 あの独特の口の端をあげる笑い方ではなくにかっと笑って小さく手を振って行ってしまった 最後の笑顔にどきりとする 少年が走り去った道を見つめながら (俺の胸で泣きな、なんて今時誰も言わないって) でも、は不覚にもその言葉に少しときめいていた (今度なんてあるはずないのに・・・ね) あたしはまた戦場だから と自嘲に満ちた笑みを浮かべ 「そろそろ帰りますかねっ」 と立ち上がる 何だかんだで彼のおかげで元気出たかもと歩き出した (・・・あの子、ディアッカっていうのか・・・) これが運命の出会いだった |