トールが戦闘シュミレーションの練習をしていたのは知っている 本当は止めたかった そんな危険のことはやめてって でも、トールの事を心配するのは 「彼女」であるミリィの役目 あたしは友達だから カズイと一緒になって茶化したりふざけて参加したりした たまたま、はじめてやったその日にトールの記録を抜いてしまった それがまずかったのかもしれない その日からトールは空いている時間をフルに使ってシュミレーションをしている カズイは 「に負けたのが悔しいからだ」 「次のパイロットはになるんじゃないかっって心配してんだよ」 なんて言ってたけど わたしは分かっていた 多分、それもあるけど トールが 少しでも早くキラを助けたいんだ と強く願っていることを・・・ スカイグラスパーのパイロットになったとき あたしは泣きそうに震えていたミリィの肩を抱いていた 内心あたしも不安でたまらなかったけど それを吹き飛ばしてしまうほどの そう、その願いが叶ったときのトールの笑顔をあたしは一生忘れない Me too act3 「アラスカに向かう」 そんな言葉を聴いて 目の前が 全てが真っ暗になった 「まだ、ストライクもスカイグラスパーも戻ってきません!!」 乾き初めた喉から必死に声を絞り出す マードック軍曹がゆっくりと首を横に振った 足元が揺らいで どうしたらいいのかと考える力すらなく あたしはドックに床に沈んだ マードック軍曹があたしを支えてくれたけど 「ありがとうございます」という言葉すら出てこない その後、フラガ少佐とマリュー艦長の声と ミリィの泣き声が聞こえた気がした でも、あたしにはそれを確認するほどの気力も たとえ確認したとしてもミリィにすら優しい言葉や笑顔を向ける自信もなかった 「坊主らはまだ死んだと決まったわけじゃないんだ!」 そんな言葉にすら希望をもてなかった 違う 本当はどうなってるのか分かっていたのかもしれない 認めたくない気持ちと 理解しようとする心が ぶつかり合った そのあとサイが来てあたしの肩を抱きかかえると心配そうに声をかけてくれた 「、大丈夫か?」 ぼうっとする頭では聞いていることしか出来ない 「ミリィに会う?」 「っ!?」 ミリィという言葉に慌てて首を横に振った 「そっか、もまだ余裕がないもんな、どっか空いてる部屋にでも行くか」 あたしは力なく頷いた たまたま空いていた部屋に一人で座った サイは 「腹減ったら来いよ。閉じこもったままなんて体に悪いから」 といってくれた こんな時、一人になれるのはありがたかった あたしはじょじょにはっきりとした頭で一つ一つを理解しようとした 「俺、トール・ケーニヒ。トールでいいよ、よろしくな」 でも思い出そうとすればするほど 「へぇ〜って手先が器用なんだ」 「といるのって本当に楽しいな!」 「ミリィが怒ってんだよ、、とりもってくんね?」 もっと深い思い出が邪魔をする 早くミリィのところへ行ってあげなきゃ 今一番、悲しいのは 辛いのはミリィなんだ 彼女であるミリィなんだ 頭では分かっているけど 「ってみんなが言うほど強くないよな」 「わかるわかる、泣きたい時に泣けないのって本当に辛いよな〜」 どうか今だけは・・・ 視界が涙で歪む 「俺、のこと好きだぜ」 あたしも「一番」可哀想な子でいさせて下さい ぼろぼろと流れてくる涙は床に広がりあたしの心に波紋を広げる いつもあたしを救ってくれた手はもういない あたしは・・・・ まさか、ありがとうもさようならもない別れがくるなんて思いもしなかった |