どれくらい泣き続けたか分からない






全部を割り切れたわけじゃないけど



でも、もう立ち直らなきゃと頭が言っている






泣いてた所で何も変わらない


トールの笑顔はもう戻ってこないのだと






生きているあたしにはやるべきことがある




トールの「友達」でミリィの「親友」のあたしがしなきゃいけないこと・・・・






そう言い聞かせなきゃ自分が駄目になりそうな気がしたから









Me too  act4










(・・・と、言うかキラごめん。キラも一緒に行方不明なのに・・・あたしときたら・・・)

タオルで顔を拭きながら窓に映る自分の顔を見た

(目の腫れやっと引いたし。)

は先ほど頑張って立ち上がった後、ちょうど部屋に様子を見に来てくれたサイを思い出した



『あれ?もう平気なの、無理すんなよ』

『あ、ごめんねサイ。もう平気』

『そっか、今は安全だから無理しなくていいんだよ』

『本当に平気だから。サイの計らいで思いっきり泣いたし
 これ以上泣いてたら脱水症状だよ。それにさっきの戦いでドックも忙しいでしょ?』

『そうだな、艦の修理とか慌しかったし』

『そっか、じゃあさんの出番かな?』

『あはは、無理しない程度に頑張れよ!』

『ひと段落着いたら一緒にミリィのところに行ってくれる、サイ?』

『多分、お前に一番会いたいと思うよミリィは』

『だといいな、あたしも会いたい・・・』




そういった後、にサイは少しだけ困ったような顔をして笑ってくれた

そして手に持ってた冷やしタオルを渡して

『そんな顔じゃ冷やかしの対象になるぞ』

と言った



サイも優しいとは思う

(フレイももったいない事したよなぁ〜)

そういえばフレイは・・・と思ってみるが状況はミリィと一緒なのだ

(キラもMIAだし・・・)

きっと泣いているのだと、それ以上詮索するのをやめた











ドックは思った以上に慌しかった

「・・・うわ・・・」

思わずは露骨に顔をしかめる

ゴンドラの上にマードックの姿をみつけた

「マードック軍曹!あたしの配置場所はどこですかー?」

ドックに響くような声で支持を促すと驚いたマードックが目を見開いてこっちを見た

「どこ行けばいいですかー?」

は再度声を上げる

その声に多少びっくりしながらもにかっと笑い負けじと声を張り上げて答えた

「遅いぞ!!は奥のスカイグラスパーの方に言ってくれ!」

「了解しました!」

ぱんぱんと二、三回頬を叩くと

「うっし!頑張るか!!」

は作業着の袖を捲くりあげ歩き出した



従来なら志願したばかりのはみんなと同じ一般兵の軍服を着なければならないのだが

はオペレーターや操縦士等ではなくドックの整備士に志願した

キーボード等をたたくより機械いじりをしていた方が好きだし楽しいからだ

(正直言うとあのピンクの服とスカートが嫌だったんだけどね)

だから、軍服ではなく作業着を何時も着ている

それを見たトールが

「その方がお前らしいな」

と笑ったのがとても照れくさかった



ドッグの奥に向かう途中ストライクがあったはずの場所、

そこにあるはずのスカイグラスパーの隣を通った

(トール・・・キラ・・・)

じわりとこみ上げてくる

「ああ、いかん」

少しうるっとした目を強引に擦り上げた




畜生、あたしはもう大丈夫だ!




はそう心に強く言い聞かせ一歩一歩を強く踏みしめる








あたしがこんなんでどうする!!

ミリィのほうがもっと辛いんだから

あたしがミリィの支えになってあげなきゃ!






そう思いながら

やっぱり、あつかましいな自分。と笑う

「遅れてすみません!修理に入ります!!」

しっかりと前を見つめた



























MAの修理がひと段落すると食事をとるように指示が出る

は顔についたオイルを袖で拭いながらドックの入り口に向かうとサイが待っていた

「あれ?サイ、どうしたの?」

が声をかけるとサイがゆっくりと顔を上げた

「あ、・・・こっちはそんなに忙しくないからさ待ってた」

「うん、そりゃ見れば分かるけど・・・」

「ミリィがほとんど何も食べないんだ。一刻も早くに会わせたい、俺じゃもう・・・」

再びサイが顔を伏せた

肩が少し震えてる

「サイ・・・」

はサイを軽く抱きしめると肩に額をつけるとそのまま話し始めた

「ごめんね、サイだって大変なのにあたしやミリィのことまで気にかけてくれて・・・」

サイもの肩に顔を埋める

「俺だってみんなの力に、助けになりたかったんだ・・・キラやトールみたいに」



本当はみんな傷ついている

それは誰も同じ傷じゃないけれど・・・

時に誰かに癒してほしくて



はサイの背中をぽんぽんと叩く

「そんな事ないって、サイは無理しないで今のままで十分力になってるよ」

「俺だって・・・俺だって・・・」

目に入ったサイの拳が力強く握られていた

「感謝してるんだよ、少なくともあたしやミリィは助けられてる」

・・・って!」

やっと顔を上げたサイにデコピンをする

「ほら、何辛気臭い顔してんの!ミリィに会いに行こう」

サイと背中をバンと叩きは半身を返した


、ありがとう」

「いやいや、それはこっちの台詞ですから」





ミリィはどんな傷を背負ってる?




あたしはその傷を癒せるかな?








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